恋愛物語〜みゆの恋〜 第5話 現れた新キャラ、あかりちゃんに揺れる心

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※この物語はフィクションです。登場する人物・出来事は創作で、実在の人物の体験ではありません。

颯太を好きって自覚しちゃって、いつもみんなに言ってる「行動あるのみ!」が全部ブーメランで返ってくる毎日。理屈はわかるのに、足が一歩も動かない。あなたも、そういう「わかってるけど無理」ってあるでしょ?わかる〜!

そんなある日、わたしの恋に黒船がやってきたの。

* * *

サークルの練習を見学に行ったときだった。颯太のまわりに、見慣れない女の子がちょこんといたの。ショートヘアで、笑うとえくぼができる、すっごく可愛い子。

「みゆ先輩、はじめまして!あかりです」

元気いっぱいに頭を下げてくる子。後輩のあかりちゃん。颯太が「最近入った一年」って軽く紹介してくれたんだけど――わたし、その瞬間に気づいちゃった。

あかりちゃんが颯太を見る目が、ちょっと特別だったの。恋する子の目って、応援団長やってると一発でわかるんだよね。

「颯太先輩、さっきのプレーすごかったです!」

「お、見てた?」

「ずっと見てました!」

その「ずっと」に、わたしの心臓がぎゅっとなった。あれ、なにこの感じ。胸の奥が、しゅん…って冷たくなる感じ。

* * *

帰り道、わたしは一人でぐるぐる考えてた。

あかりちゃん、いい子なんだよ。素直で、まっすぐで、颯太のこと好きって全身で言ってる。嫌いになる要素がひとつもない。それがまた、つらい。

もし、いつものわたしだったらどうする?――決まってる。「行こう、あかりちゃん!その気持ち、伝えなきゃもったいないよ!」って、全力で背中を押してたはず。

でも今は、押せない。だって、押した先にいるのはわたしが好きな人だから。

「うわ、最低じゃんわたし」

思わず声に出ちゃった。誰かの恋を心から喜べない自分なんて、初めてで。ずっと「応援団長」やってきたのに、こんなにちっちゃい気持ちが自分の中にあったなんて、知らなかった。

* * *

その夜、ちなに電話した。「黒船きた」って言ったら、ちなは一瞬で察してくれた。

「で、その子に勝てる気しないって落ち込んでるんでしょ」

「うっ…なんでわかるの」

「みゆの声、わかりやすすぎ」

ちなはちょっと笑って、それからまじめな声になった。

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「あのさ、みゆ。あかりちゃんが颯太を好きでも、みゆが颯太を好きな事実は消えないでしょ?恋って、早い者勝ちでも、譲り合いでもないんだよ」

その言葉、ぐさっときた。わたし、いつのまにか「あとから好きになった気がするから遠慮しなきゃ」みたいな気持ちになってたんだ。

「でもね、ちな。わたし、人の恋は応援できるのに、自分のことになると急にこわいの。こんな自分、ださくない?」

「ださくないよ」ちなは即答した。「本気だからこわいの。それ、みゆが昔みんなに言ってたことじゃん」

――こわさは、本気のサイン。

そうだ、わたしが言ったんだ。自分で言っといて、いざ自分の番になると忘れてる。あなたにもあるでしょ、自分の言葉が一番効くやつ。これ、ほんとあるある。

* * *

電話を切って、わたしはひとつだけ決めた。今すぐ告白とか、そんな大ジャンプはまだ無理。でも、できることはある。

「比べて落ち込む」のをやめて、「自分の気持ちを、ちゃんと自分で認める」こと。これって地味だけど超大事で、ここを飛ばすと一生ふわふわしたまんまなんだよね。

あかりちゃんと比べて「勝てない」って数えるんじゃなくて、わたしはわたしの「好き」を、まずわたしが大事にする。ね、やってみよ?って、自分に言い聞かせた。

そんなことを考えてたら、颯太からLINEが来た。

「今日、見学来てくれてたろ。なんか元気なかったlike?大丈夫か」

……見てたんだ。わたしが隅っこで黒船にやられてたの、気づいてたんだ。颯太って、ほんと変なとこ鋭い。

「大丈夫、大丈夫!ちょっと考えごとしてただけ〜」って返したけど、画面の向こうの颯太を思い浮かべたら、胸がきゅっとなった。

黒船は来た。心は、人生で一番ぐらぐら揺れてる。でも――不思議と、逃げたいとは思わなかった。

揺れるってことは、それだけ本気ってこと。わたしの恋、やっと「他人ごと」じゃなくなってきたんだ。

📖 恋愛物語〜みゆの恋〜(全10話)

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